美の記憶とその先

神楽岡 久美 / スズキエイミ / ⻄山美なコ

  • 2025年02月14日 - 2025年03月16日
  • 会場:Marco Gallery 1F

あるドキュメンタリー番組でこんなシーンを目にしました。
家を出た子供が久しぶりに帰ってきたら見た目が全く変わっており、親が我が子を見て自分の子だとわからないと言っていたのです。
ここで私が言いたいのは、何らかの是非を問いたいわけではなく、それほどに目に見える身体的情報(見た目・容姿)というのは、私たちを認識するための強いアイデンティティであるということです。
そして現代において視覚的な身体的情報の変化の流動性は、より高まっているのではないでしょうか。
そんな身体的情報と私たちの距離感が変容している時代において、美という角度からその身体のありようとアイデンティティとの関係性についてみなさまの思考のスイッチを押すことができれば幸いです。
歴史上、薔薇というのは、美の象徴的存在として語られてきました。
本展では、時間と美の関係を根幹に見据えるために、時の流れを反映し移ろいゆく花を入り口にしながら、私たちにとって最も身近な身体という存在自体が持つ美しさを過去から現在、未来という時間軸を踏まえて検討します。
私たちのアイデンティティ(内面性)と身体(外面性)との関係性を美という角度から見つめることができれば幸いです。
そのようなことを我々自身が検討しつつ、鑑賞者に対して投げかけ、思いもよらない思考のアクセルがかかることを期待しています。

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