生まれることと一人歩きするということ

中畑良孝 / 平尾未来

  • 2025年01月11日 - 2025年02月09日
  • 会場:Marco Gallery 1F

フィクションとノンフィクションの間で生きている私たち。
 
想像の世界は、現実の世界に支えられ、そして、現実の世界もまた、想像の世界に支えられているのではないでしょうか。

実際の記憶がつぎはぎされた想像の世界は、多くのメタファーを持って私たちの日常に潜む意味を教えてくれる。

私たちの日常というものは、こんなフィクションとノンフィクションの入り混じった境界線のわからない物語にあふれ、そこで紡がれる記憶が未来につながっているのかもしれません。

中畑と平尾のアウトプットには、いずれも漫画というメディアが関係してきます。中畑は、想像のストーリーが元に、平尾は、目の前に存在する日常のストーリーが元になって作品制作に活かされています。

中畑の自宅には、彼が頭の空想世界の中で思い描いたキャラクターが描かれた大量のドローイング帳が山積みにされていました。彼の作品は、10 年以上にも及ぶキャラクターのドローイングが元になっています。
そのキャラクターたちは、彼の頭の中からドローイングノートの紙の上に生み落とされます。そして、2次元のそれらは、彼の手で掘り出されて 3 次元の立体として、ストーリーと躍動感を纏って立ち現れます。
 
平尾未来は、難聴の母と過ごしてきそんな身体的ハンデがある人との向き合いを通して見える彼女の日常は、ユーモラスかつ社会的な目線にあふれています。

そんな日常から着想を得て描かれる彼女の作品は、鑑賞者に日常を鮮やかで豊かな視点で見ることの喜びや面白さを与えてくれます。

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